MBTIで適職を検索すると、
INTPはエンジニア。
ENFPは広告・企画。
ISTJは経理。
ENTJは経営者・コンサル。
ISFJは看護師。
みたいな記事が大量に出てきます。
しかし、私はこの「職業名を当てるゲーム」にはかなり限界があると思っています。
そもそも日本MBTI協会自身、MBTIは職業適性を測定する適性診断テストではないと明記しています。MBTIから考えられるのは、能力の有無というより、「どのようなことにモチベートされやすいか」「どのような環境や役割で摩擦が生じやすいか」といった方向です。
そして、もっと根本的な問題があります。
「営業」「マーケティング」「経理」「IT」という職種名自体が、あまりにも粗すぎる。
ここを細かく見ないまま、
「あなたはINTPだからIT向きです」
などと言われても、ほとんど何も言っていないのと同じなのです。
「ITに向いている」では情報量が足りない(解像度を上げよ!)
例えば「ITの仕事」と言っても、実際の会社の中にはまるで違う仕事があります。
社員から、
「パソコンが動きません」
と言われて対応する仕事もITです。
Microsoft Entra IDで社員のIDを管理する仕事もIT。
IntuneやJamf Proで端末を管理する仕事もIT。
ネットワークを設計する仕事もIT。
サイバー攻撃を監視する仕事もIT。
業務システムを開発する仕事もIT。
ITアーキテクトとして会社全体のシステム構造を設計する仕事もITです。
同じ「IT」でも、
人から次々に問い合わせを受ける仕事と、一人でシステム構造を考える仕事では、必要な性質がかなり違います。
西園寺.comで以前扱った、社員1人を入社させるだけでもEntra ID、Intune、Jamf Pro、HENNGE One、Oktaなど複数の仕組みが動いている世界もその一例です。
したがって、
INTP → IT
では粗すぎます。
本当に見るべきなのは、
ITの中で何をやるのか。
です。
「経理向き」も同じである
ISTJは経理向き。
こういうMBTI適職記事もよくあります。
しかし、「経理」と呼ばれている仕事を少し覗いただけでも、
伝票処理。
売掛金管理。
買掛金管理。
固定資産。
税務。
原価計算。
単体決算。
連結決算。
管理会計。
FP&A。
などがあります。
全然違います。
例えば連結決算になると、親会社の帳簿だけを見ていればいいわけではありません。
国内外の子会社からデータを集め、連結パッケージを処理し、内部取引を照合し、債権債務を消去し、未実現利益を消去し、必要なら為替換算まで行う。
DivaSystemやSTRAVISのような連結会計システムまで出てきます。
一方、同じ経理でも、毎日大量の請求書を処理する仕事とは仕事の性質がかなり違う。
だから、
ISTJは経理向き
と言われても、
どの経理だよ。
となるわけです。
マーケティングも一つの仕事ではない
これは私自身が長くやってきたマーケティングでも同じです。
Web広告を運用するマーケター。
ブランドを作るマーケター。
消費者調査をするマーケター。
CRMを担当するマーケター。
価格を決めるPricing担当。
商品企画。
Trade Marketing。
店頭データを分析する人。
全然違います。
食品・日用品メーカーのマーケティングへ行けば、SRI+、SCI、KSP、ID-POSなどを使い、
「売上が落ちた」
という現象を、
市場そのものが縮んだのか。
配荷が落ちたのか。
販売店率が落ちたのか。
購入率が落ちたのか。
リピートが落ちたのか。
と分解していく世界があります。
Web広告代理店でGoogle広告のCPAを毎日見ている仕事とは、かなり違います。
それでも求人サイトでは、両方とも、
「マーケティング」
と書かれます。
この分類で適職を考えること自体に無理があるのです。
職種ではなく「仕事の構造」を見た方がいい
では、何を見ればいいのか。
私は少なくとも、次の4つまで分解した方がいいと思っています。
何を扱う仕事なのか。
数字なのか。
人間なのか。
機械なのか。
文章なのか。
市場なのか。
システムなのか。
次に、
何をする仕事なのか。
分析する。
設計する。
交渉する。
運用する。
管理する。
教える。
売る。
修理する。
さらに、
どんな時間軸なのか。
その場で即答する仕事なのか。
毎月正確に回す仕事なのか。
半年かけて設計する仕事なのか。
5年後を考える仕事なのか。
最後に、
何によって評価される仕事なのか。
売上なのか。
精度なのか。
速度なのか。
安定稼働なのか。
新しいアイデアなのか。
顧客満足なのか。
組織を動かしたことなのか。
ここまで見ると、ようやく、
「この仕事は自分に合いそうだ」
という話ができます。
職業名だけでは分解能が低すぎるのです。
MBTIの使い方も逆になる
だから私は、
「INTPだから何の仕事に就けばいいですか?」
という使い方より、
「自分はどのような仕事構造だと長期的に摩擦が出やすいのか」
を見る方がMBTIは使いやすいと思っています。
例えばINTPなら、
毎日大量の人間を管理する。
政治的な根回しを延々やる。
結論が決まっているのに会議だけ続ける。
考える時間がなく、問い合わせに即答し続ける。
という環境では消耗する人がいるでしょう。
しかし、
未解決の問題を調べる。
複雑なシステムを理解する。
モデルを作る。
アルゴリズムを考える。
一人で深く検証する。
という仕事なら、比較的自然に続けられる人がいる。
だから「プログラマー」という職業名が重要なのではありません。
仕事の中で何をやらされるかが重要なのです。
同じエンジニアでも、
会議と顧客調整ばかりのPMと、アルゴリズムを一日中考えられる研究開発では、別の仕事です。
西園寺.comの「パーフェクトMBTI」でも、職業名だけではなく、戦略・研究・設計・運用・営業・育成・表現・即応という仕事機能まで分解しています。
「やりたい仕事がない」のではなく、仕事を知らない可能性がある
そして、ここからが重要です。
30代、40代になると、
「今の仕事は違う気がする」
と思いながら、
「でも他にやりたい仕事もない」
という状態になる人がいます。
これは必ずしも、
やりたいことがない
という意味ではありません。
社会にどんな仕事が存在するのかを知らないだけかもしれない。
地図に載っていない場所を、ナビに目的地として設定することはできません。
キャリアも同じです。
信用審査。
Treasury。
FP&A。
連結会計。
Trade Marketing。
Pricing。
Identity Management。
購買管理。
国際物流。
M&A Integration。
こういう仕事の存在そのものを知らなければ、
「それをやりたい」
とは思いようがありません。
だから、自分の内面を調べるだけではキャリア探索は半分しか終わっていない。
もう半分は、
社会の解像度を上げること
です。
西園寺.comで専門実務の記事を大量に書いている理由
最近このサイトで、
NACCS、B/L、D/O、CY、CFS。
SAP Ariba、Coupa、PunchOut、3-way match。
DivaSystem、STRAVIS、連結パッケージ。
Microsoft Entra ID、Intune、Jamf Pro、Okta。
SRI+、SCI、KSP、Eagle Eye。
など、普通の人には意味不明に見える専門用語の記事を増やしています。
これは別に、
全部覚えてください
という意味ではありません。
大事なのは、
「世の中にはこんな仕事まであるのか」
と知ることです。
一つの業務を知る。
すると、その業務をやっている部署が見える。
その部署にシステムを売っている会社が見える。
コンサル会社が見える。
専門職が見える。
業界が見える。
転職先が見える。
場合によっては、
今まで考えもしなかった自分の適職まで見えてきます。
適職探しは「自分探し」だけでは終わらない
MBTI。
ストレングスファインダー。
自己分析。
キャリア診断。
こういうものは全部、
自分を知るための道具です。
しかし、
自分について100%理解できたとしても、
世の中の仕事を10%しか知らなければ、選べる仕事もその10%の中だけです。
だから適職探しには、
自己理解と同時に、社会理解が必要です。
自分は何者なのか。
だけではなく、
世の中には何があるのか。
会社はどう動いているのか。
どんな問題を、誰が、どのような道具を使って解決しているのか。
そこまで知る。
そのうえで初めて、
自分と仕事をマッチングできます。
「INTPだからプログラマー」
「ENFPだから広告」
「ISTJだから経理」
というところで止まるのは、もったいない。
その先にある、
プログラマーの中の何なのか。
広告の中の何なのか。
経理の中の何なのか。
まで潜る。
適職を探すとは、本来そういう作業なのだと思います。
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"make you feel, make you think."
SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。



